コロナウイルスと経済ブログ

2019年冬に中国武漢にて始まった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)によるその後の経済への影響を批評するブログです。

世界大恐慌がやって来る! のであろうか?_考察vol.2

コロナ大恐慌の深さと長さはどのくらいになるか

今回、コロナ大恐慌と1929年に始まる世界大恐慌を比べ、今の管理人の理解する世界の情報から、簡単にコロナ大恐慌の深さと長さを(カンですが)予測してみます。

 

【1929年からの世界大恐慌

まず、復習ですが、1929年の世界大恐慌では株式市場はNYSEではダウ平均が4年間かけて下落し、ボトムでは暴落前の1/10になり、それから暴落前の値に戻るまでトータル25年ほど要しました。GDPは数年かけて下落し20-25%ほど低下。その後また数年かけて元の値に戻りました。また、金利はもともと昔は高いのですが4%ほどで推移しました。

当時の経済学はとても未熟で(今でもあまり役に立っていないという話がありますが)、財政緊縮などが行われ、中央銀行もヘリコプターマネーを行っていませんでしたので、デフレになり、倒産・失業の嵐となり、経済の大収縮が起こりました。これが世界レベルで起きたのが世界大恐慌ということになります。

 

【2020年からのコロナ大恐慌

1.金融面について:現在、世界の金利水準は非常に低いです。というのも、(運よく?)2008年のリーマンショックに続いた金融事変に対して、大恐慌研究家でもあるベン・バーナンキなどがアメリ中央銀行を率いて比較的うまく対処でき、その後も世界中の中央銀行がじゃぶじゃぶと滅茶苦茶なお金を刷りまくることで何とか経済を落ち着かせてきたという現状があります。つまり、「危機に陥っても、中央銀行がお金を刷りさえすれば何とかなる、というのが今の世界の金融を成り立たせている危うい考え方・方法」なのです。

お金が運用先に困るほど世界にあふれているので、本来であればリスクが高いはずの債券や株式にもお金が投資され、債券は利回りが低くなり、危ない会社でも株価が上昇してきました。特に問題になってくる可能性が高いのは、アメリカのシェール投資などの低格付けの債券や、CDSになります。CDSというのは簡単にいうと、ある企業が倒産するリスクを金融商品として購入することです。これらは、大規模な経済事変などが発生すると一気に焦げ付き、投資者(一般市民が買うことはあまりないので、銀行や年金の運用者などです)に巨大な損害を与える可能性があります。

現在、アメリカの中央銀行にあたるFRBは低格付け債券も買い取り、この危機を防ごうとしています。とても大事な政策ですね。

ということで、ある程度の突発的な金融リスクへの対処は既になされているか、あるいは中央銀行が2008年以降、躊躇なくお金をばら撒くようになったので、リスクは以前ほどではない状況です。

2.実体経済について:政府の政策があまり踏み込んだものが無ければ、失業率はこの先、アメリカで20-25%くらい、日本でも15-20%超くらいまで悪化する可能性があると予想しております。

また実体経済規模についても2020年は前年比、日本でも年率GDP -5~ -7%くらいの景気後退が発生するのではないかと思います。ただし、ここでもお金を滅茶苦茶に刷りまくることで何とかしてしまう政策が行われ、来年くらいには効いてくると予想しています。インフレを予測している人もいますが、管理人は、滅茶苦茶にお金が刷られて国民に配られても、意外とデフレ状態が酷くなるだけではないか、と思います。

その代わり、一部の物価だけが異常に高くなるのではないか、と予想しています(これはまた別の機会に投稿しますね)

アジアではここまでの経過を見る限り、COVID-19による死亡率は欧米に比較して桁違いに低く、実際はあと2,3か月ほどでさほどの脅威ではなくなる(たいした対策をとらずとも医療崩壊も起こさないレベルになる)と思われます(ただしCOVID-20については、必ずしもその限りではなく、ここを勘違いしてはいけません)。従って、アジアの内需は欧米に比べると相対的に戻りが良く、むしろ一部の地域ではバブルになる可能性を考えます(これもまた別の機会に投稿予定)。

3.深さと長さはどうなるのか:結局、地域による差異が出てくるというのが管理人の予測です。アジア地域では1年程度の景気後退があり、欧米では景気後退が2年弱、それ以降も弱弱しい回復になるのではないか、と思います。特に観光業の抑制が非常に効いてしまい、フランスなどの観光大国がピンチになると思います。

1929年との違いは、金融政策の巨大さと迅速さなどが桁違いです。つまり大恐慌研究が生きたことになると予測しています。これにより、深さは1929年に近いのですが長さは半分以下になると予測しています。その代わり、その後の経済成長に大きな影を落とすことになります

4.では、未来は明るいのか?:コロナ以前のようには戻らないと思います。

まず、今回のコロナ事変が人心に与える影響は絶大であり、もともとアジアでさえも人口増加のペースが弱まりつつありましたので、さらにデフレ的なマインドが世界規模で芽生えていくと予想します。つまり人間があまり増殖せず、また将来の先行きを拡大予想する人が相対的に減ってくると考えています。

このため、経済成長率が全体的に鈍化し、人間はより慎重になっていくものと思われます。このあたりのコロナ後の人類社会の考え方や行動に及ぼす影響についてはまた別記事で投稿させて頂きます。